2015年09月06日

女性受難、日本のマタハラ [The Economist]


"Abenomics is womanomics"

アベノミクス(安倍経済)はウーマノミクス(女性による経済)

東京で開かれたWAW(World Assembly for Woman, 女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム)のパーティー会場において、日本の安倍晋三首相はそう切り出した。

Shinzo Abe promised to help women "shine" at work as a way to boost Japan's talent pool and economy.

安倍晋三氏は、日本の人材プール(talent pool)と経済を活性化させる一助として、女性が職場で輝けるよう尽力すると約束した。




安倍首相の言に対し、小酒部(おさかべ)さやか(Sayaka Osakabe)さんは、こう返す。

Before "shining" women just need to be allowed to work without being harassed.

女性が輝くまえに、まずは嫌がらせを受けずに働けるようにする必要がある。

小酒部(おさかべ)さんはNPO「マタハラNet」の創設者(founder)。マタハラ(Matahara)とは、「妊娠(maternity)と嫌がらせ(harassment)の造語」であり、違法ながらも日本社会には蔓延している事実がある。





職場の上司から中絶(abortion)を迫られたケースもある。

One woman landed a prized "career-track" job at a big bank alongside her boyfriend, who worked in another department. After she became pregnant, a manager told her he would "crush" both her own career and that of her boyfriend if she went ahead and had the baby. In 2011 she took the hint and had an abortion.

ある女性は、大銀行の栄えある出世コース(career-track)に第一歩を踏み出した。彼女のボーイフレンドもまた、同じ銀行の別の部署でキャリアをスタートさせていた。ところが、彼女の妊娠を知った上司からこう言われた。もしこのまま子供を産んだら、彼もろとも台無しにしてやる(crush)と。2011年、察した彼女は中絶(abortion)を選んだ。

その哀れな彼女は現在、マタハラNetで小酒部(おさかべ)さんととも働いている。小酒部さん自身、流産(miscarriage)という苦い経験を2度もしているという。やはり職場での嫌なストレスがその一因であった。若い母親の5人に1人が、職場での嫌がらせ(office harassment)を受けている、と連合(日本労働組合総連合会)は言う。

Part of the problem is the country's culture of pointless workaholism. Office workers are expected to stay late even if have no work to do.

問題の一部は、意味のない仕事中毒(pointless workaholism)という日本の慣習にある。企業で働く人は、とくに仕事がないのに、なんとなく残業しなければならない。

妊娠した女性は早く帰れるという免罪符を得られるものの、居残る同僚(co-workers)に頭を下げながら帰宅することになる。多くの企業では産休(maternity leave)の代替員を雇わない。そのため、同僚らの重荷(burden)が増すのである。

It is one reason why seven out of ten women give up their jobs on having their first child

7人に一人の女性が、最初の子供(first child)ができたときに仕事をあきらめるというが、その一因がここにある。




 昨年はじめて、最高裁(the Supreme Court)はマタハラに有利な判決を下した。政府もまた、マタハラを軽視できない。とめどない人口減少は政治家にとっても頭が痛い。議会はもっと多くの女性が出世できるよう企業に求めている。

Women who find it hard to combine work and motherhood often forgo the latter.

仕事と母親の両立が難しいと考えたとき、多くの女性が母親になるのを見送ってしまう。


最後に、冒頭のWAW(World Assembly for Woman, 女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム)のステージ上で安倍首相が述べた言葉を。

Our greatest barrier is a working culture that endorses male-centered long working hours.

最大の壁は、男性中心の長時間労働を是とする働き方文化(a working culture)です。

If men themselves do not awaken to this fact and take action, we will not be able to eliminate this bad practice

男性が自ら、気づき、行動を起こさなければ、この悪習(bad practice)を断ち切ることはできません。

First of all, we will expand a corporate culture that values working efficiently within a limited number of hours. Husbands will also actively take childcare leave and couples will share responsibility for household chores and child rearing

まずは、限られた時間で効率的に働くことを評価する企業文化(corporate culture)を広げ、夫も積極的に育休(childcare leave)を取得し、家事や育児(child rearing)を夫婦で共に担う。

We will make this the ordinary practice in Japan.

それを日本で当たり前(the ordinary practice)にしていきます。



The final curtain has been drawn on the era in which people ask why we promote the dynamic engagement of women in society. 

「なぜ女性の活躍(the dynamic engagement of women)を推進するのか」を問う時代は終わりました。

Now is the time for us to discuss how to bring it into reality

今は「如何に実現するか」を議論するときです。










 (了)






出典:
The Economist, Sep 5th 2015
Women and work in Japan "We're busy. Get an abortion"



posted by エコノミストを読む人 at 13:01| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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