2015年09月10日

課税がわりの料金徴収 [The Economist]


トイレ(loo)を流すにも、お金をとられるとしたら?

As cash strapped Western countries try to balance their books without raising unpopular taxes, they are charging higher fees for everyday services.

カネに困った西洋の国々は、不人気な増税を回避して会計の帳尻を合わせようとしている。毎日の公共サービスをより高い値段で有料化しているのだ。

今世紀初頭にくらべ、アメリカでは25%も公共料金が値上がりしたという。EU諸国の半分も、金融危機以来、医療費(health care charges)が上がっている。

In Britain, where a severe fiscal squeeze is under way, new fees are popping up in unexpected places, from the criminal courts to municipal pest-control agencies.

財政の引き締めが厳しいイギリスでは、法廷から自治体の害虫防除まで、思わぬところで新たな料金(new fees)が発生している。





Pay-as-you-go(利用した分だけ料金を払う)、そんなシステムを政府は採用しつつある。

Charging for services helps allocate resources efficiently, deterring overconsumption, just as parking meters stop people hogging spaces. Fees can be fairer than general taxation.

サービスごとに料金をとることで、限られた資金(resources)を効率的に分配できるようになる。たとえば、パーキングメーターを設置した場所が占有されなくなるように、使いすぎ(overconsumption)を防ぐことができる。料金制は広範な課税よりも公平になりうる。

節水する人(frugal users)が、水を出しっぱなしにする人(those who taps gush)と同じ料金だとしたら、いかにも不公平だ。とはいえ、その陰には政府の都合(political expediency)が見え隠れしている。

The recent spread of fees has less to do with economics than with political expediency.

近年における料金化の広がりは、経済的な理由というよりも、政治的なご都合主義(political expediency)が過分にある。

掲げたとたんに叩かれてしまう増税とちがって、料金の値上げならば簡単に通ってしまう。

It is no wonder charges are popular with governments. They are less loudly opposed than tax increases or welfare cuts. Britain's government will lose fewer votes a jump in the cost of getting divorced than an equivalent cut in benefits to the elderly, say.

料金制が政治家に人気なのは当然だ。増税や福祉削減ほど、やかましく反対されない。たとえば高齢者への給付をカットするよりも、同額の離婚費用を一気に値上げするほうが、イギリス政府は票を失わずに済むだろう。

こうなってくると、すでに手数料(charge)という名の税金(tax)だ。たとえばイギリスで扶養家族(dependent relative)のビザを取ろうとすると、その料金は2,141ポンド(約40万円)必要だが、それは実際の手続きでかかる費用の3倍以上だという。

When a charge exceeds the cost of a service it becomes a tax.

手数料(charge)がサービスの費用を超えたら、それは税金だ。

法廷という、まさに ”囲われた市場(captive market)” においては、じつに簡単に大金が巻き上げられる。

In America, whose courts are the most entrepreneurial in the developed world, charges are so high and widespread that many offenders end up in jail for non-payment.

アメリカは法廷においても、先進国のなかで最も起業家精神に富んでいる。その料金があまりにも高額で多岐にわたるため、法を犯してしまった人々は結局、金のかからない監獄の中に落ち着いてしまう。





イギリスでは2013年、雇用にかかわる訴訟料金を大幅に値上げしたところ、性差別(sex-discrimination)の訴えが83%減少したという。

People with strong cases have been priced out.

強く主張する人ほど、法外な値段をふっかけられてしまうのだ。

アメリカは特にそうらしいが、増税(tax increases)という言葉にアレルギーを起こしてしまう議員は数多い。だから、増税と言わずに政府の収入を増やそうとする。

Advocating low taxes while backing bogus, revenue-raising "charges" is a phoney sort of fiscal responsibility. It is a scam.

インチキくさく手数料を上げておいて安い税金を唱えることで、財政責任をはぐらかしているようなものだ。それじゃ詐欺(scam)だ。

Charging for public services sometimes makes sense. Often, though, it is a racket.

公共サービスを有料化することは、ある意味、理にかなっている。しかし時には、詐欺まがい(racket)にもなりえるのだ。













(了)






出典:
The Economist, Aug 29th 2015
Pay-as-you-go government, "It'll cost you"



posted by エコノミストを読む人 at 06:09| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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