2015年09月11日

南アフリカの国営企業 [The Economist]


南アフリカの港町、ポートノロス(Port Nolloth)は人口わずか数千人しかいないにもかかわらず、驚くほどたくさん、ドイツの高級車(luxury German cars)が走りまわっている。というのも、付近のダイヤモンド鉱山からお宝をくすねてくるからだという。

The government says that only 10% are stolen.

南アフリカ政府は言う、たった10%しか盗まれていない。




警備員は気がついた、伝書バト(homing pigeon)がよく飛んでいるのを。

One old wheeze for getting gems out is to smuggle homing pigeon into the mine and then send them winging their way home carrying cargoes of rough diamonds.

宝石を持ちだす古くからの手口の一つに、伝書バト(homing pigeon)がある。鉱山に潜り込ませ、ダイヤモンドの原石を自分の巣箱へと運んでこさせるのだ。

鉱山のマネージャーは、やっとわかった。この小さな町に鳩クラブ(pigeon club)が6つもある理由が。


South Africa's state-owned diamond miner, Alexkor, has managed to make a hash of it. Over the past decade it has posted losses more often than profits and has needed frequent bail-outs.

南アフリカの国営ダイヤモンド採掘企業、Alexkor はすっかりダメになっている。過去10年間、利益よりも損失を多く計上してきた。救済措置(bail-out)もしばしばだ。





南アフリカには700以上の国有企業(state-owned firm)があるという。電力公社のエスコム(Eskom)、運輸公社のトランスネット(Transnet)、南アフリカ航空(SAA, South African Airways)などなど。

Many state-owned firms are also racking up large losses and guzzling subsidies.

多くの国営企業もまた巨大な損失を計上しており、補助金(subsidies)ばかりをガツガツ食らっている。

南アフリカ航空(SAA)はこの20年間で、300億ランド(約2,700億円)以上の政府援助を受けている。電力のエスコムは停電(power cut)をおこすこと頻繁で、工場や鉱山の生産性をいちじるしく損ねている。運輸のトランスネットもまた、輸送の障害となっている。

During the global commodity boom before the 2008 financial crisis South Africa's mines struggled to expand because underinvestment by Transnet had led to bottlenecks at ports their exports by as much as 50% had they had the means to get their minerals out to international markets.

2008年の金融危機以前の、世界的なコモディテーブームの間、南アフリカの鉱山はなかなか拡張することができなかった。というのも、資金不足のトランスネット社が港で輸出の妨げとなっており、掘り出した鉱物の半分も国際市場に出せなかったかったからだ。

Power shortages contributed to the dire economic news released on August 25th showing that the economy had shrunk at an annual rate of 1.3% in the three months to June.

電力不足によって、今年8月25日の経済ニュースが暗いものになってしまった。南アフリカの経済は第2四半期、年率換算で1.3%縮小していたのである。

Some economists reckon that if Eskom and Transnet were better run, the country could be growing at up to three times its current sickly rate, optimistically forecast to hit 1.5% this year.

もしエスコム社やトランスネット社がもっとうまくやっていれば、南アフリカは現在の弱々しい数字の3倍は成長できた可能性がある、と言うエコノミストもいる。楽観的な予測として今年は1.5%の成長を遂げられたかもしれない、と。





それでも、南アフリカ政府は懲りることがない。

Instead of learning the obvious lesson, that the state is not good at running businesses, the South African government seems keen to double down.

国家はビジネスが苦手だ、という明らかな教訓を学ぶかわりに、南アフリカ政府は負けを取り返そうと賭け金を熱心に増やしている。

コモディティー価格の低迷こそが、悪の元凶だと思い込んでいる。Ngoako Ramatlhodi 鉱物エネルギー大臣は言う、

We think we should give it a push and see if it works.

われわれはもっと国営企業を後押して、その後どうなるかを見守るべきだと思っている。

あくまでも自由市場(market)とは距離をおき、国こそが開発をおこなうのだという姿勢をくずさない。





歴史的には、1994年にネルソン・マンデラ氏が白人政権を受け継いだあと、与党ANC(African National Congress)によって南アフリカの民営化(privatisation)は進められた。輸入関税(import tariffs)を下げ、海外からの投資を呼び込んだ。

Yet this dash to privatisation soon slowed, because of opposition from COSATU and SACP, both of which are allies of the ANC. 

しかしながら、民営化への勢いはすぐに減速した。与党ANC(African National Congress, アフリカ民族会議)の連立相手であったCOSATU(Congress of South Africa Trade Unions, 南アフリカ労働組合会議)SACP(south African Communist Party, 南アフリカ共和党)によって反対されたからだった。

By 2007 privatisation fell victim to political infighting within the ANC as an alliance of unionists and leftists ousted then-president Thabo Mbeki and backed his replacement by Jacob Zuma, the current president.

そして2007年までには、政治的な内紛のなかで民営化は犠牲になってしまった。与党ANC(アフリカ民族会議)は労働系(unionists)や左翼系(leftists)などの連立相手と折り合いがあわず、当時のムベキ大統領は追い出され、現大統領であるズマ氏がその座についたのだった。

ズマ氏は大統領になるのと引き換えに、左派と約束を交わした。

The left got policies committing the governing party to "strengthening  the role of state-owned enterprises".

左派は与党から、国営事業(state-owned enterprises)の役割を強化する、という政治的公約を得た。

それまでの財務大臣は脇へどけられ、現在では共産系の2人、Ebrahim Patel 経済開発大臣(the economic development minister)Rob Davis 貿易大臣(trade minister)が経済に関する新たなプランを練ることになった。

Their model is China.

彼らのお手本は中国だ。

An ANC policy document gushes that the economic "leadership of the Communist Party of China...should be a guiding lodestar of our struggle.

ANC(アフリカ民族会議)の政策文書(policy document)には、こう謳われている。「中国共産党による経済的なリーダーシップは、苦境にある我らにとって導ける北極星(a guiding lodestar)となるべきだ」と。













(了)






出典:
South Africa's state-owned companies
"Commanding plights"
The Economist, Aug 29th 2015




posted by エコノミストを読む人 at 14:09| Comment(0) | アフリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月28日

南スーダンの和平協定


南スーダン(South Sudan)の大統領、サルバ・キール(Salva Kiir)氏は反乱軍(rebels)との和平協定(a peace deal)に署名した。この和平協定は、これまで数万人の犠牲をだしてきた内戦(a civil war)を終わらせる期待を込めて反乱軍から提出されたものだった。

The president of South Sudan, Salva Kiir, signed a peace deal with rebels that offers hope of an end to a civil war that has cost tens of thousands of lives.

キール大統領は過去に和平を拒んでおり、国連(the United Nations)からは制裁(sanctions)を警告されていた。

Mr Kiir had previously refused to make peace, drawing a threat of sanctions from the United Nations.


Politics this week
The Economist, Aug 29th 2015






posted by エコノミストを読む人 at 11:50| Comment(0) | アフリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月15日

沸き立つ大陸・アフリカ、その今。


世界一の急成長
The world's fastest-growing continent

野心あふれるアフリカ大陸
Aspiring Africa



アフリカが成し遂げたこと(achievements)に対する誇りは、さらに急速な進歩を遂げる決意(determination)を伴う

英国エコノミスト誌 2013年3月2日号より



「お祝いの時(celebrations)」

半世紀前、植民地(the colonial powers)からの独立を果たして以来、アフリカ大陸が今ほど好調だったこと(in such good shape)があったでしょうか?

世界で最も貧しい大陸(the poorest continent)は今、お祝いの時(celebrations)を迎えようとしています。



「記録的数字(record numbers)」

アフリカ大陸の経済的繁栄(flourishing)により、武器をもつ子供(children bear arms)はかつてないほどに少なくなっており、過去最多の子供たちが学校に通えるようになっています。

携帯電話(mobile phones)の普及率はインド並み、エイズウイルス(HIV)の感染(infections)は最大で75%ほども減少し、平均寿命(life expectancy)は過去10年間で10%も延びているそうです。



「平均所得(average incomes)」

消費支出(consumer spending)は今後の10年間でほぼ倍増(almost double)する見込みです。

10年後には、一人当たりの平均年間所得が1,000ドル(約9万5,000円)を超えるアフリカの国は、現在の半分足らずから4分の3にまで増えると言われています。外国からの直接投資(foreign direct investment)はすでに3倍にまでなりました(tripled)。



「救い主(saviours)」

先進諸国の支援機関(aid agencies)や、中国の鉱業会社(mining companies)が一役買っていた(done their bit)とはいえ、アフリカ大陸の繁栄はアフリカ人自身の手(its own people)によるものでした。

彼ら自身が先進技術(modern technology)を受け入れ、じつに多くの選挙(even more elections)で投票所へと足を運んだのです。そして、自国のリーダーたちにさらなる成果を約束させてきたのです。



「期待感(a sense of hope)」

今のアフリカ大陸には期待感(a sense of hope)が満ちています。

そして、先進諸国はそんなアフリカの市場にしきりに投資したがっています(keen to invest)。マスターカードのデビッドカード(debit cards)発行枚数は、南アフリカ共和国で1,000万枚にまで達しようとしているのです。



「好景気(humming along)」

アフリカ大陸の政治家たち(politicians)も良い成果を上げています(doing a better)。

和平協定(peace deals)の締結、そして経済運営。GDP(国内総生産)の平均成長率は約6%と好調に推移しており(humming along)、国の統治(governance)はだいぶ改善されてきたようです。



「賄賂(a bribe)」

英国エコノミスト誌の特派員(correspondent)は、特集記事(special report)を作成するために、アフリカ23カ国を訪問したとのことですが、一度も賄賂(a bribe)を求められなかったそうです。

特派員たちは、「ほんの10年前には考えられなかったことだ(inconceivable)」と驚きを隠せません。



「歓迎すべき変化(a welcome transformation)」

アフリカ大陸には、歓迎すべき変化(a welcome transformation)が確実に起きています。それは、彼らの野心(ambitions)による成果とも言えるでしょう。

今後、さらなる潜在力(potential)を発揮するためには、今なお彼らの行く手を妨げている政府の汚職(corruption)や規制のもつれに挑戦していくことになるでしょう。それはまだまだ完全に根絶(rooting out)されてはいないのですから。



「飢えとの戦い(the battle against hunger)」

これからのアフリカ大陸が成すべきことは山積しています。時間を浪費する(dawdle)わけにはいきません。

貧困(poverty)は未だ蔓延しており、富の広がり(the spread of wealth)は一様ではありません(uneven)。飢え(hunger)との戦いはまだ終わっていないのです。



「畑で育ったもの(what grows in fields)」

アフリカは近い将来、アジアと肩を並べることがあるのでしょうか。

アジアが世界の工場(the workshop of the world)であるのに対して、アフリカは現在、畑で育ったもの(what grows in fields)か、その下から掘り出されたもの(what is dug out from below them)の輸出に依存しています。



「商品(commodities)」

アフリカ大陸の好調、すなわちGDPの成長率の約3分の1は、農作物や化石燃料、鉱物資源などのコモディティー(商品)によるものです。なにせ、現在の価格は過去最高値に肉薄している(near record highs)のですから。

しかれども、コモディティー(commodities)という市場はじつに不安定なものであり、ときとして暴落する(collapsing)という悪いクセ(habit)も持っています。つまり、好調の永続は難しい(will not last)ということです。



「農産物(agricultural commodities)」

コモディティー(商品)の一つでもある農産物は、気候変動(climate change)によって収量がすでに不安定(irregular)になっています。雨が不足し、地下水面(water tables)の水位が下がって、サバンナはもう干上がっているのです(drying out)。

どんなにアフリカが繁栄(prosper)しようとも、この大陸に住む多くの人びとは農業に依存し続けなければなりません。しかし残念ながら、地球環境の脅威(the threats)の多くは他の大陸からやって来るのです。



「新たな災い(new scourges)」

新たな災い(new scourges)もあります。たとえば、サハラ砂漠ではイスラム過激派(Islamist extremism)が不安定化のタネを蒔いています(sow instability)。ケニアでは、総選挙に向けた選挙活動が暴力によって(by violence)台無しにされてしまいました(have been marred)。

アフリカが苦心して手に入れた勝利(hard-won)とは未だ、かくも脆弱なもの(valnerable)なのです。



「一度きりのチャンス(a one-off boost)」

現在アフリカは、地方から都市への人口移動(move)の真っ最中ですが、これは地方の農場と都市のスラムの両方で生産性(productivity)を向上させる大チャンスです。

しかし悲しいかな、これは一度きりのチャンス(one-off)であり、この波に乗り損ねてしまうと(bungle)、都市は危険な失業者階級(a dengerous unemployed class)であふれかえってしまいます。



「人口ボーナス(demographic dividend)」

また、アフリカ大陸の人口は今も急増中で(growing rapidly)、2050年までには現在の2倍の20億人にまで増大する見込みです。

この状況は、労働者の数が急増する人口ボーナス(demographic dividend)を約束するものであると同時に、もしこの大波を逃せば、豊かになる前に老いてしまう恐れもあります(Africans will grow old before they grow rich)。



「携帯端末(hand-held gadgets)」

インターネットはアフリカ大陸を変えつつあります。農家は携帯端末(hand-held gadgets)で天気を確認し、スラム街(slums)でも技術があふれています(teeming)。

たとえばケニアでは、GDPの3分の1に相当する資金が、モバイル送金(a mobile money-transfer)を通じて流れています。



「邪魔する国家(stymied by the state)」

民間の活力著しいアフリカ大陸ですが、どうやら国家(the state)がその進展を妨げている部分もあるようです。

世界銀行による「ビジネスのしやすい国ランキング(ease-fo-business ranking)」を見てみると、下から3分の1のほとんどがアフリカ諸国です。つまり、それほどこの大陸でビジネスするのが困難だということなのです。



「インフラ(the infrastructure)」

道路はだいぶ改善しつつあるようです。エコノミスト誌が特集記事のために走破した1万5,800マイル(約2万5,000km)のうち、舗装されていない道路(unpaved roads)はわずか5%にすぎなかったとのことです。

しかしながら、送電網(the power grid)は最悪だった(a disaster)そうですが…。



「無駄な規制(useless regulations)」

国家による無駄な規制(useless regulations)は大きな障害(bottlenecks)です。

東アフリカ最大の港(モンバサ)は麻痺状態で(gummed up)、国境線という国境線では、大型トラックが何日間も足止めを食らってしまいます(hold back)。その上、出稼ぎ労働者に対する各種規制(restrictions)は、ビジネスの拡大を阻んでしまっています。



「膨らむコスト(the inflated cost)」

規制の多さは、官僚(bureaucrats)や税関職員(customs officers)の仕事を増やすばかりでなく、そのコストも膨らませていきます(inflate)。

たとえば、一台の自動車を中国からアフリカのタンザニアまで輸送するのに4,000ドル(約38万円)かかるそうですが、それを大陸内のウガンダに運ぶのには、さらに5,000ドル(約48万円)もかかることがあるのです。



「共同市場(a common market)」

もしアフリカ大陸全体が、ヨーロッパのEUやユーロのように、共通のプラットフォーム(a common market)の上に置かれていたら、どんなに発展することでしょう。

流通やビジネス、製造業にとっての恩恵(a boon)だけではありません。つまらぬ汚職(the petty corruption)を取り除くことで、人々の生命を救うことになるかもしれません。



「汎アフリカ主義(pan-Africanism)」

もともとアフリカの国境線(borders)というのは、大陸を植民地化していたヨーロッパの国々(colonial masters)が、いい加減に引いたものです。それらの実状にそぐわぬ線は、多くの紛争の原因ともなってきました。

アフリカ大陸は新たな解放運動(a reborn liberation movement)を必要としているのかもしれません。

「国境を破壊せよ(break down your borders)」。それがエコノミスト誌の提案です。







英語原文:The world’s fastest-growing continent: Aspiring Africa | The Economist

posted by エコノミストを読む人 at 14:27| Comment(0) | アフリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月05日

世界の最後の光は「アフリカ」にあり。


「希望に満ちた大陸(The hopeful continent)

アフリカの勃興(Africa rising)」


英国エコノミスト誌 2011年12月3日号より



「押し寄せる客(onslaught)」

ナイジェリアの街・オニチャの市場は、連日押し寄せる客(onslaught)に満ち溢れている(jammed)とのことです。

その様は、先進国のクリスマス・ショッピングが毎日行われているかのようです。



「豊かになった消費者(prosperous consumers)」

アフリカの消費者(consumers)は年々豊かになっています(prosperous)。

汚職(corruption)、海賊(piracy)、貧困(poverty)、病気などはあれど、ヤル気のある(motivated)起業家たち(entrepreneurs)もまた多いのです。



「最も急速に成長した上位10カ国(ten fastest-growing contries)」

世界で最も急速に成長した上位10カ国(ten fastest-growing conutries)のうち、6ヵ国はアフリカの国だそうです。

さらに、ここ10年のうちで8年は、東アジアの経済成長率をも上回っています。



「北半球における景気減速(the northern hemisphere’s slowdown)」

北半球(the northern hemisphere)における景気減速(slowdown)の波及効果(the knock-on effect)を考慮しても、アフリカの2011年の成長率は6%という高い数字です。

さらに、来年も同様、6%程度の成長が見込まれています(IMF)。これはアジアとほぼ同じ数字です。



「コモディティー市場の活況(the commodities boom)」

アフリカの成長の約4分の1は天然資源(natural resources)によるものでした(2000-2008)。

この間、商品(commodities)市場は活況を呈していた(boom)ため、アフリカは大いなる成長を謳歌できたのです。



「人口動態上の強み(favourable demography)」

さらにアフリカには人口動態上の強み(favourable demography)もあります。

アジアや中南米では、出生率(fertility rates)が急低下(crash)していますが、アフリカはまだまだ元気です。

今後40年間、世界人口の増加(increase)の半分は、アフリカ大陸が担うと目されています。



「楽観論(optimism)」

以上のような楽観論(optimism)はあるものの、その楽観論は少しずつ(small doses)受け入れた方が良さそうです。

アフリカ大陸には、まだまだ暗い状況(bleak)も多く残されています。



「一日2ドル未満(less than two dollars a day)」

アフリカの人々の大半(most africans)は、一日2ドル未満で(less than two dollars a day)生活しています。

平均寿命(average lifespan)は50歳を下回る国もあり、一人当たりの食料生産(food production)も減っています。



「森林破壊と砂漠化(deforestation and desertification)」

干ばつ(drought)と飢饉(famine)は続いており、森林破壊(deforestation)と砂漠化(desertification)も進行中です(still on the march)。

猛烈な経済成長(breakneck economic growth)とは裏腹に、気候(climate)は悪化の一途をたどっているのです(worsening)。



「石油漬けの泥棒政治(oil-sodden kleptocracy)」

アンゴラや赤道ギニアでは、石油漬けの泥棒政治(oil-sodden kleptocracy)が続いているとのことです。

正常であったルワンダやエチオピアなどでも、政治的に不健全になってきています(politically noxious)。



「問題だらけの選挙(shoddy elections)」

コンゴ民主共和国では、問題だらけの選挙(shoddy elections)が横行し、統治不能(barely governable)の腐敗(corrupt)に見舞われているのだとか。



「良心の傷(a scar on the conscience)」

ジンバブエは南アフリカの良心の傷(a scar on the conscience)とも言われています。

また、かつては南アフリカのお手本(model)だった南アフリカ共和国も腐敗政治(corruption)に染まり、土地と鉱山(mines)を国有化する(nationalising)議論が持ち上がっています。



「お馴染みの状況(familiar backdrop)」

こうしたお馴染みの状況(familiar backdrop)に、必要以上に悲観的になる必要はありません。

一部の統計数値(fundamental numbers)は、正しい方向(right direction)へと動きつつあります。



「急成長を続ける中産階級(a fast-growing middle class)」

年収3,000ドル(約23万円)のアフリカ人は、およそ6,000万人。5年以内には、その数は倍以上になるとこのことです。

こうした中産階級(middle class)の急増に加え、海外からの投資(foreign investment)の割合は、過去10年で10倍(tenfold)に急増しています(soared)。



「中国の到来(China’s arrival)」

中国の到来(China’s arrival)により、アフリカのインフラは改善され(improved)、製造業(manufacturing)が拡大しました(boosted)。

中国の後には、ブラジル、トルコ、マレーシア、そしてインドなどが続々とアフリカに向かって来ました。



「貿易(cross-border commerce)」

アフリカの貿易(cross-border commerce)は、政治的な対立(political rivalry)により長らく抑えつけられてきました(suppressed)。

しかし、関税(tariffs)が引き下げられたことにより、障壁が取り除かれ(dismantled)、現在は成長しつつあります。



「ハイテクへの熱意(enthusiasm for technology)」

アフリカにおけるハイテクの熱意(enthusiasm for technology)は、軽視すべきものではありません。

いまや、アフリカの携帯ユーザーは6億人を超えています。この数字はアメリカやヨーロッパを悠に上回ります。

アフリカの道路事情の悪さ(dreadful)などから、無線通信は先進国以上に重宝されているのです(huge boon)。モバイル・サービスは広大なアフリカ大陸の10分の1の地域にも及び、その割合(proportion)の高さはインド以上です。



「蚊帳(mosquito nets)」

蚊帳(mosquito nets)の普及などにより、アフリカの健康状態は改善しています。

エイズの猛威(ravages)も徐々に弱まりつつあります(gradual easing)。



「生産性(productivity)」

アフリカの技能(skills)の向上も目覚しく、その生産性(productivity)の伸びは、年間3%近くに達しています。

ちなみに、アメリカの伸び率は2.3%程度です。



「植民地支配の足かせ(colonial shakles)」

アフリカ諸国がヨーロッパによる植民地支配の足かせ(colonial shakles)を振り払った後の30年間は、ただの一ヶ国として(not a single one)、まともな選挙(ballot box)で政府を正すことはできませんでした。



「平和とまともな政府(peace and decent goverment)」

1991年、ベナンがまともな選挙による政権交代を実現して以来、アフリカ大陸では30回以上の平和的な政権交代が成されています。

この回数は、中東のアラブ諸国をはるかに上回ります。



「有望な発展(promising development)」

現在、アフリカの労働市場(job market)には、高い教育を受けた若い世代(better-educated young people)が続々と参入しつつあります。

そして、生産年齢人口(working-age people)は、被扶養人口(dependents)に対して優位な方向へ向かっています。



「人口ボーナス(demographic dividend)」

こうした人口ボーナス(demographic dividend)は、アジア諸国では萎(しぼ)みつつありますが(tailing off)、アフリカでは今まさに始まろうとしているのです(just starting)。

当然、アフリカの今後の成長には弾みがつくはずです(get a boost)。



「恩恵か災厄か(dividend or disaster)」

若年成人(young adults)の増加は好調な経済にとっては、確実に恩恵(dividend)となります。

しかし、もし職が不足すれば、若者は不満(frustration)から暴力(violence)に訴えます。

アフリカの若さが、恩恵を生むのか、それとも災厄(disaster)を生むのか、それは各国政府の腕の見せ所となります(up to its governments)。



「徹底した改革(deep reform)」

アフリカには、まだまだ徹底した改革(deep reform)が必要とされています。

それは、徴税を誠実に行うことだったり、土地の所有を個人に認めることだったり、政治家が選挙の結果に素直に従うことだったり…。



「関税障壁(tariff barriers)」

先進諸国は、アフリカに支援(aid)を撒き散らす(dish out)だけではなく、関税障壁(tariff barriers)を引き下げるなどして、アフリカに貿易(trade)の道を開く(open up)べきかもしれません。

アフリカの天然資源の開発(exploit)に対して、外国企業は然るべき資金を支払う必要もあります(pay for licences)。

それらはアフリカを潤すだけではなく、暗澹とした世界経済に光を灯すことにもつながるのです。



posted by エコノミストを読む人 at 13:53| Comment(0) | アフリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月30日

民衆蜂起(revolt)がほぼ成功したリビア。その情勢に関する「英語」を学びます。

記事タイトル:「End-game in Libya: Going, going......」

今日の記事は、民衆革命の起こった「リビア(Libya)」に関してです。「カダフィ大佐(Colonel Qaddafi)」により42年間続いた世界最長の独裁政権は、ついに幕を閉じました。

----------

“revolt”とは、「民衆蜂起」という意味。

この単語には、権威に対する組織化された反乱という意味があります。

----------

“long live free Libya”は、「自由なリビア、万歳」と訳されています(JBpress)。

このフレーズは、首都トリポリに侵攻した民衆たちが、数百万人の携帯電話利用者に発信したメッセージです。

----------

“rebellion”とは、「反乱」という意味。


一番最初に出てきた”revolt”と同じ意味ですが、”rebellion”には「不成功に終わった謀反(むほん)」という意味合いもあります。

文脈では、この”rebellion”は反乱初期の状態を指し示しているので、民衆蜂起が成功するかどうかまだ分からなかったニュアンスを示しているように思います。

----------

“stage-managed rally”とは、「演出された集会」という意味。

カダフィ大佐による革命の象徴とされた場所が、「緑の広場(Green Square)」です。そして、この広場では、数々の「演出された集会(stage-managed rallies)」が開かれました。

カダフィ大佐を追い落とした今、「緑の広場(Green Square)」という名前は、「殉教者の広場(Martyrs’ Square)」と改称されました。

「緑」はカダフィ大佐を象徴する色なのです。リビアの国旗を緑一色にし、自身の思想を「緑の書」として著しています。この緑色は、イスラムのシンポルカラーでもあり、社会主義の赤色に対抗する意味合いもあります。

つまり、カダフィ大佐が大好きだった緑色は、反カダフィ派にとっては、もっとも忌まわしい色でもあったわけです。

----------

“ploy”とは、「策略」という意味。

「独裁者に忠実な軍隊(troops loyal to the dictator)」は、首都を開け渡したのは「策略(ploy)」だと主張しているとのことです。

しかし、残念ながら、「その可能性は低い(That seems unlikely)」ようです。

----------

“hem”とは、「囲む」という意味。

この単語には、「布の端を折り返して縫い閉じる」という意味もあります。記事では、「大佐は包囲されている(The colonel is hemmed in.)」という具合に使われています。縫い閉じられたように、包囲されている様がイメージされます。

----------

“sparsely”とは、「密度の低い」という意味。

大佐に忠実な勢力は、もはや「人口密度の低い郊外の町(the sparsely populated country)」しか支配していないとなっています。

---------

“topple”とは、「倒れる」という意味。

“The toppling of Colonel Qaddafi”で、「カダフィ大佐が打倒されたこと」と訳されています。

そして、それは中東諸国(Middle East)や欧米諸国にとって、「恩恵(boon)」であると続きます。

----------

“exile”とは、「追放する」という意味。

その対象は、もちろんカダフィ大佐です。今後の彼の処遇が、「裁判にかけられるのか(be tried)」、「追放されるのか(be exiled)」かという文脈で用いられています。

----------

“implication”とは、「裏の意味」という意味。

カダフィ大佐が「打倒されたこと(the toppling)」が一体どういう「意味(implication)」をもつのか、明らかになっていないとあります。”implication”は、いまだ表面に出てきていないというニュアンスがあるようです。

----------

“disperse”とは、「分散する」という意味。

「カダフィ支持派(Qaddafi loyalists)」が今後、「分散して(disperse)」抵抗するのか、「武装解除(disarm)」するのか分からないとなっています。

----------

“rule-based democracy”とは、「法治に基づく民主主義」という意味。

これが「多種多様な反体制派(the various rebel groups)」の「一致した目標(the stated goal)」だとなっています。

「イラクで起こったような動乱(Iraqi-style insurgency)」は避ける必要があると続いています。

----------

“sectarian”とは、「宗派」という意味。

幸いにも(helpfully)、リビアには「宗派の分裂(sectarian divide)」が無いのだそうです。リビア社会は比較的「同質(homogeneous)」とあります。

しかし、40年以上の「抑圧(oppression)」によって、「不満(grievances)」は鬱積しているとのこと。



posted by エコノミストを読む人 at 13:43| Comment(0) | アフリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。